Life in Bloom

英語赤点組だった私がカナダで永住権を取得(PNP)。Life in Bloom(人生真っ盛り)という意識で生活するカナダ生活と在住歴のある韓国話をお届けします。

季節性の鬱には。私の場合

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 少し前なら、正月太りで2キロだとか3キロも太ったという文面をよく見かけたが、私からすればそれは甘い。

威張ることでは全く無いけど、12月からの暴飲暴食によりなんと6キロも増量した。商品だったら出血大サービスであろう私のカサである。

というのも、韓国で意識的に7キロ肥えたことがあった。脱出後にダイエットに成功して以来、非常に体重増減の激しい体となってしまった。

痩せて自信を取り戻したときは良いが、現在は見るも無残なトド体型で、鏡に映るだらしない体の自分が目に入る度ため息しかでてこない。

「日本人は痩せすぎだよ」が口癖の夫は「これくらいがちょうど良いよ」「男が好きな体型」と嬉しそうに言っていたが、これだけ太ってしまうと服のサイズが変わるなど生活に支障が出てきますからねぇ。

 せめて気持ちだけでもと明るい気持ちに持ってこようと試みるのだけど、明るさだけが取り柄で「とにかく明るいアリーナ」って名前でいこうかしらと思っていた時期もあるのに、驚くほど気持ちの切り替えがうまくいかない。急激に太った、家族、学業、土地柄などなど、ことごとく何もかもうまくいかないので、自分を追い詰めてしまって「産まれてきてごめんなさい」と言葉が口をついて出てきてしまいそうだ。

この暗い心をどうしたら元に戻せるかと悩んでいたら、カナダでも「季節性の鬱」という表現が使われていることに気づいた。

 

 外は凍てつくような寒さ。外に出ていこうにも体感気温-34℃とかなので、最低限の食料品の補給以外どこに立ち寄ることなくまっすぐ家に帰ってきたくなるし、そうじゃなくとも少し前に降った雪で路面がカチカチに凍ってしまっていたり、除雪後の歩道がスケートリンク化していたりするので文字通り外出するには危険が伴う。幸い部屋の中は温かいのが救いだけれど、それにしても終わりのこない冬の中に一人だけ取り残されてしまったような気分になる。

例えるなら私が住んでいる地方はリアル「アナ雪」の世界。アメリカでは冬の女王が逮捕されたなんてほっこりニュースが先日流れていた。

と、話は戻るが、ひたすら寒くて天候の悪い冬に気持ちが落ち込みがちになることを英語でSeasonal Affective Disorder (季節性感情障害) だとか、そのままWinter Depression(冬鬱)なんて言ったりする。

この言葉を聞いて、なんだかしっくりきた。

 

寒さで出ていけない。学校も失敗。友達は他州や他/母国へ行ってしまった。話を聞いてもらえる家族は夫以外にはもういない。日本の友達とは楽しい話をして時間を過ごしたいので、愚痴を聞いてもらいたいとは思えない。

では、今の私に気分転換にできることはなんだろう?っと考えたら、「歌」がすぐに浮かんだ。

そうだった。私は歌が好きだった。

私の夢は小さな頃から「~になりたい」よりも「ピアノ教室のような防音室のある部屋に住むこと」。最近では日本帰国の際に「カラオケ」へ行きまくることも挙げられる。とはいっても、実際に日本に立ち寄るとやりたいことや会いたい人が目白押しなので行けた試しはないけれど。

 

歌。こんな簡単なことにどうして気づかなかったんだろう。気持ちの落ち込みで大好きなことまで見失ってしまっていたとは。いても立ってもいられなくなり、すぐにユーチューブに上がっていて気になったap Bankのライブ中継を流し、久しぶりに歌いながら家事をした。

AP Bankのライブはミスチル+いろんな歌手のコラボなようで、世代ではないのだけどアスカさんが歌う時には涙したりしながら、近所(コンド住まい)への手前遠慮がちに歌をうたう。

他にも、ユーミンのとある曲が流れたら腕に電気が走るような喜びの衝撃を感じた。心地が良いだけでなく歌っていると心躍る。カットする野菜は無造作な乱切りから切り花へと変化した。掃除機だって踊りながら片足立ちでかけちゃうぞ。

懐メロソングはいつの間にか「さだまさし」だとか「みなみこうせつ」に変わっていて、彼らの歌でまた涙を流した。どれも聞いたことのある曲だと思いこんでいたけれど、なんとなく覚えていたのは音程だけで歌詞までは知らなかった。青春時代をそれらの歌と過ごしたわけではなくても、どこか懐かしいような気持ちになり情景も浮かんでくるようだ。名曲は色褪せないとはこのことか。

嗚呼なぜ私の周りでこういう歌を歌ってくれる人がいなかったのか。最近の歌もいいけれど、私の好みは70年代のフォークソングなのかもしれない。ギターでも始めてみようかしら。 

このようなことは夫に見られたら「なんちゅー情緒不安定・・カウンセリングにいこうか?」と本気で心配されてしまいそうなので、「決して障子の向こうを覗いてはなりませんよ」と夕鶴のように繰り返す私だが、個人的には泣けるのは良い兆候だと思っている。

「女の涙は尿である」とはよく言ったもので、心のモヤモヤが浄化されスッキリできるので、気分転換ができるし心なしか血流も良くなるような気がする。泣いた後はついさっきまでのイライラも悲しみもどこかへ流れていってしまい、毎度新しい自分に生まれ変われるような気さえしてくる。

というわけで、家で泣くストレス発散法というのはアリだ。

 

そんなこんなで歌ったり踊ったりしていたら、即2キロ痩せた。

歌って踊ったことでストレス発散でき、夫にも優しくできるので家庭内円満。

それだけでなく、「肌が白くなったけどなんかした?パックかえた?」と美肌ポリス(夫)に聞かれた。もちろん何もしてはおらず、ひたすら歌って踊って家事をしてお花摘み(厠)に行っただけである。血流の滞りが流れたのかもしれない。

ほかに、思いがけず小さな夢もできた。次回の日本渡航の際に「さだまさしのコンサート」に行くことだ。

昔親が「さだまさし」の良さを語っていた時は、なんであんな暗い歌をうたう人がいいのかねぇと思っていた。が、年と経験を重ねたことで感情移入できるようになってきたからなのか、今は良さがわかる。わかりまくる。

歌声も歌詞も素晴らしいが話も面白い方なので、落語やミュージカルを見に行きたいことは却下されても、歌+トークのお得なショーならケチもとい財布の紐が固いしっかり者の夫にも合意してもらえそうなところも魅力だ。(我が家は夫が金銭管理担当)チケットが取れたら、韓国夫に少しずつ歌詞の意味を説明おばさんしながら、ステマのように歌を聞かせ覚えさせたい。

季節性の鬱には「好きなことをする」のが一番なよう。忘れていた「好きなこと」があったら、また再開してみるのもいいかもしれない。