Life in Bloom

英語赤点組だった私がカナダで永住権を取得(PNP)。Life in Bloom(人生真っ盛り)という意識で生活するカナダ生活と在住歴のある韓国話をお届けします。

カナダ的なNOの言い方 ~ダイレクト文化とインダイレクト文化での言語表現の違い~+韓国でのケース

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日本語の言語表現は基本的にはインダイレクトだ。

言葉遣いや言い回しの癖はその人のバックグラウンドにもよるけれど、表現方法をいくつも見ていると、ギョッとするほどダイレクトに表現したり物言いをする国も存在するので、やっぱり日本語っていうのは繊細な表現を好むんだなぁと。

それが良いか悪いかどう捉えるのかっていうのは、これまた人それぞれ。日本語独特の婉曲的な言い回しを奥ゆかしいだとか興味深いと思ってくれる人もいるし、反対に「何が言いたいの?はっきり言わなければ相手に全く伝わらないだろう」とお叱りを受けることも多々あった。

 

カナダ人の表現方法は中間くらい BY先生

LINC(移民向けのESL)で学んでいた頃、先生は「カナダ人の言語表現の方法はダイレクトでもインダイレクトでもなく、ちょうど真ん中ぐらいだ」と言っていた。

が、経験上、個人的にはカナダ人は婉曲的表現を好んで使うことが多いイメージがある。

 

I don't think so.

まず、カナダ人は意外とNOと言わない。日本人ほどNOと言うことを恐れているわけではないけれど、それでもNOの発するインパクトが大きいので、極力直接的に言うことを避けているような印象をもつ。

NOと言う時はよっぽどの拒絶か、ここははっきり言っとかないとマズイぞっていう時、他に、こちらの英語力が不十分なためにわかりやすい簡単な表現を使うといったようなケースで使うイメージが私の中にある。

彼らはNOの代わりに「I don't think so.」と言うことを好む。これは時に後ろに(I think what has been said is untrue.)って意味が含まれていて、わざわざ言わなくてもそこは察してよってやつである。

これに私は非常に親近感を感じる。

※もちろんこれも全員が全員というわけではなく、バックグラウンドだとか個人の性格にもよる。けれど、こう言われることが一般的・・かな。

 

Let me see what I can do.

同じように、「Let me see what I can do.」というのもよく使われる。これはカスタマーサービス等でも使える魔法のフレーズだ。私のような顔ですぐ相手に英語が不自由だとわかってもらえるアドバンテージ(/ディスアドバンテージ)があると、無理難題を言ってくるゲストにも基本的にはこれ1つで済ますことができた。

大抵のカナダ人ならば、この表現を使うことですぐに答えが「No.」だとか「不可能」だってことを悟ってくれる。察してくれるのだ。

 

ダイレクト文化から来た人の反応

ところが、これがダイレクト文化の人だとそうもいかない。

「I don think so.」と言えば、「ではどう思うの?」「いつできるの?」と聞かれるし、「Let me see what I can do.」では一応フォロー(サポート?)のために続けて「Unfortunately,…」と重ねて説明したつもりでも、「で、どうなった?」「代わりに何ができる?」と聞かれてしまう。

こんな時、カナダ人の元同僚たちは「まいったなぁ~・・できないもんはできないじゃんね~」と裏で言い合ったりするし、日本人の私もそれに深く同意する。

ところが、ダイレクト文化からやってきた元同僚は全く違った対応をしていた。

同じような質問をしてきた違うゲストに対して、結構なトーンと表現とそれに高圧的な態度で接している。

それを見かけた同僚が驚きのあまり目配せをしてくる・・なんてことがよくあった。

 

I'll think about it.

同じようなケースで、NOの代わりに「I'll think about it.」もよく使う。

これは日本人が「ちょっと考えます」と、話を切り上げる時に使うことに非常によく似ている(ように個人的には思う)。

なので、これは世界共通なのかな?って思っていたけれど、これもまた言語や文化によることがわかった。

LINCにいた頃、何かの質問に対して、自分もNOの代わりに「I'll think about it.」とクラスで答えたことがあった。

日本語表現そのままだし、当時働いていたその職場でもカナダ人だとかカナダに住んで長い人らが「I'll think about it.」をNOの代わりに使うことが多かったので、何の疑問も持たずに自然と使っていた。

・・・のだけれど、週末を挟んだ週明けのこと。

教室につくなりクラスメートから「で、アレどうなった?考えてくれたんでしょ?」っと希望に満ちた目で聞かれ、思わずズッコケるということがあった。

 

 

韓国はダイレクト文化だ

いつもオチ的な位置に韓国話を使ってしまって韓国人に悪いが、

顔が似ているので勘違いしがちだけれど、韓国は結構なダイレクト文化である。

『Let美人』という韓国版の『ビューティコロシアム』を観たことがある人はわかってくれるかと思うが、顔にコンプレックスを持つ人が整形を無償で受けたいがために、勇気を出して悩みを打ち明ける。顔も公開する。

出演者も医者軍団もど直球で物言いをする。トラウマになりそうな程どぎついことをストレートに、しかも、本人に向かって言う。

韓国的には、裏でコソコソする方が良くない、ものにもよるが本当のことを言わないのは優しさではないという感じなので、文化の差ってやつだ。しかし、この文化差がすぐお隣であるのにもかかわらずとても大きい。

韓国で生活をしていた時期があるが、韓国人とは顔が似ているがゆえに心のどこかで親近感を感じていたことが仇となり、日本文化とのあまりの違いに戸惑うことが多かった。

韓国人夫を持ち、数人の韓国女子友ができた今となっては、韓国のダイレクトの良さってのもわかるようになったけどね。

 

日本人の「考えます」はこういう意味ですね?ね?と詰め寄る韓国人

最後に1つ、知人の経営する民宿的なところでバイトをしないかと誘われた時の話をば。

「・・・というわけで、うちは海外からのゲストが多いし韓国人のスタッフも居るので、アリーナさんは韓国語が話せなくても大丈夫です。英語と日本語で対応してくれれば良いです。」

「そうですか。」

「時給は4,000ウォンになりますが、日本と違って仕事中にスマホ触ってもいいですし、何か食べてもいいんです。比較的自由ですから。」

「うーーん(・・・!安すぎる・・・!)」

「どうですか?アリーナさんはホテルの経験もあるし、働いてくれるとすごく嬉しいんですけど。それに韓国語が話せないと釜山では仕事もみつからないでしょう?いい話だと思いますよ」

「うーーーん、考えます。」

「今のは日本的に言いましたか?それとも韓国的に言いましたか?」

「えっ?!」

「日本人の”考えます”はNOだと聞きました。なのでそれは日本的に言えばNOということですね。そうですよね?ね、ね?????」

「ええっと・・・・(^_^;)・・・」

「どうですか?NOですか?考えるならいつ返事くれるですか?NOならNOと今いってください」

「ハイ・・。あーーゴメンナサイ・・・。」

「あぁーーー残念ですぅゥゥ。何が不満ですかぁぁ???」

「ええっと・・・」

「答えたくないんですか?言って下さい」

(数分質問攻めにあう)

「スミマセン。ワタシ、ソロソロ、カエラナイト・・・」

 

身体を前のめりにしてガンガン聞いてくるので、最後はシドロモドロになってしまった。

 

おわりに

LINCから離れて以来、わたしのカナダ生活ではよっぽどの違和感を感じる出来事には遭遇していない。また、文化の違う韓国人も勤勉なお国柄、学び始めれば習得も早いので、カナダで出会った韓国人に戸惑うこともそこまで多くはないのでありがたい。

しかし、それにしても、まさか顔が似ていて見た目から親近感を感じやすい韓国人よりも、全く見た目の違うカナダ人の方が言語や表現でシンパシーを感じることが多いなんて。

これもまたカルチャーショックな話ですな。