スイス人女性と付き合っていた日本人男性がいた。
白人男性と日本人女性のカップルは沢山いるけれど、その反対はあまり見かけないので印象に残っている。
他にも、白人女性と付き合っていた日本人は知っているけれど、「知っている」という言葉が自然と出てくるほど、白人女性と日本人男性という組み合わせはあまりメジャーではないような気がする。
日本を知らなかったスイス人女性
そのスイス人女性はとても綺麗な女性だった。
ロマンシュ語とかいうマイナー言語を話すのだそうで、民族だとか部族だとかそういう小さなコミュニティーで生まれ育ち、カナダへやってきたとのことだった。日本人と話すのは彼が初めてだったのはもちろんのこと、日本がどこにあるのかも全く知らなかったのだという。
今は自分も「寿司」を食べたことのある人の方が少ないような土地に住んでいるので、日本の物は世界的に知られているという自惚れは捨てるべきだと知ったけど、当時その話を聞いた時はとても衝撃を受けた。
(ちなみに「寿司」を知らなくても「Shawarma(シャワrマ・シャワーマ?・シャワルマ?)」は知っている人が多い。中東の薄いパン生地で包んだサンドイッチ。おいしい)
スイス人美女と付き合うことになった日本人男性
日本人との出会いが未知との遭遇であった彼女。
最初は見た目が相当違うので警戒されていたようだけど、美女だということで、彼は猛アタックし、彼女をお姫様のように扱って、慣れないレディーファーストに努め、思いつく限りのロマンチックなことをし、晴れて付き合えることになった。
とてもフレンドリーで、愛嬌があり、見せてくれる笑顔の回数も多い彼女。ツンとしていなくて魅力的な女性で、田舎出身だからなのか、擦れていなくて感じもよかった。
残念ながら破局
だけど残念なことに、数ヶ月してあえなく破局。二人の関係は思っていたよりも早く終焉を迎えてしまう。
文化の違いだとか、言葉の壁だとか、色々な障害は想像しだしたらキリがないほどなので、自分から理由は聞かなかった。
意外な理由でフラれてしまう
後から知ったけど、彼がフラれた理由は意外なものだった。
もっと私のことを可愛がってほしかった。よしよしって、よく出来たねって、すごいねーって、子犬のように扱って欲しかったの。
だってさ。
彼はこれを聞いてショック、私も想像もしなかった理由に驚きを隠せなかった。
彼は付き合い始めてからも、色々と頑張っていたと思うし、とてもナチュラルに気が遣える男性だったので、日本でもモテそうな感じの人。
だけど、彼女は別れる決意を固めてから彼に別れ話をしてきたようで、復縁は望めなさそうだった。ということで、女性の立場からのアドバイスも助言も何もできなかった。
それにしても、「子犬のように扱って欲しかった」だなんて。
夫からの似たような苦情
なぜこんな話を突然書こうと思ったのかというと、昨夜夫から苦情が来た。
ねぇ、なんで君は誰にでも優しいのに、俺にだけ厳しいの?もっと大切にしてほしいんだけど。犬みたいに可愛がって「よしよし」してほしいんですけど・・・
真面目で寡黙な夫から、まさかこんな言葉が飛び出てくるとは想像もつかなかったので驚愕した。
デ・ジャ・ブ?!
普段なら爆笑するところだけど、彼の目はマジで私のココロに訴えかけている様子だった。
日本人は身内に厳しい
日本人は身内には一番厳しいのかなって思う。親もそうだったしさ。その流れなのか、他人には甘くできても、身内にはそれができない。本人が外で恥をかかないように・・というつもりで色々と言ってきていたのだけど、まさかそんなふうに感じていただなんて。
この話をしたら、
オレ、日本人じゃないの・・・
とても悲しそうに夫がつぶやいた。
あまりにも悲しい目をするので、申し訳ない気持ちになった。
いくら文化の違いとは言え、一生懸命外で働いてきてくれている彼に、さらに家でムチを打っていたのか・・と考えを変えると、途端に恥ずかしくなった。