LIB - Life in Bloom

カナダと日本と韓国と、たまにオーストラリア。人生真っ盛りという意識で生活したい

ビリオネアからのヘッドハンティングを夫は断ってしまった

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数ヶ月前にツイッターでも呟いたが、夫に某アジア行きの話が急浮上した。

理由は、「自分のために国へ来て働いて欲しい」というオファーを受けたから。

格好良く言えば、ヘッドハンティングというやつである。

 

 

「つながり」をとても大事にする北米社会

実は、こういった話は初めてではない。以前にも、彼は声掛けをもらったことがある。海外で生活をするなどインターナショナルな人々と働いていると、驚くほど多くの出会いがある。

私は部外者なので、今の夫の会社のことは詳しくわからない。だけれど1つ感じることは、北米人である彼らは、横にも縦にも兎にも角にも「つながり」をとても大事にするということだ。

 

優秀な(主に白)人たちは行ったり来たり

夫の過去の同僚たちも、ヘッドハンティングをしたりされたりしてきた。特に英語圏出身の白人ともなると、ある程度仕事ができれば入れ食い状態なんじゃないかと言うほど、条件次第で会社と会社を行ったり来たりする。折角仲の良い同僚ができても、その人が優秀であればあるほど、ともに働く時間は短いようなイメージが有る。

反対に、長らく景気が悪いこともあって、レイオフ等で去っていく人もいるけれど。

 

自分には関係がない

夫は、こっち(北米)生まれでもなく、こっちの教育で育ったわけでもなく、肌に色付き、アクセント付の生粋のアジア人であるので、そういった話には自分は全く関係がないと思っていた。そんな白人同士の嬉々とした話がすぐ横で繰り広げられるのを横目に、好きなアニメのことなどを考え、気を紛らわせるなどしてやり過ごしてきていたという。むしろ、レイオフされずにサバイブできていることだけでも、十分ありがたいと思いながら働いていた。

 

まぁ、それが大方の移民系アジア人の現実であろう。

 

(日本人は、研究職だとか優秀で来られる方が多いので、当てはまらないかも^^;)

 

 

 

声をかけてきてくれたのは・・

その日は、某所でのカンファレンスがあり、沢山人が集まっていた。

無事に終了後、夫に向かって真っ直ぐ歩いてきて、声をかけてくれた人たちがいたそうだ。

 

(夫は物静かな方なので、最低限の発言しかしていないと思われる。なぜ声をかけてきてくれたのか謎)

 

国籍不詳のアジア人夫婦だった。

 

 

彼らは、いきなり自分(夫)の経歴を詳細に聞き出してきた。

現年俸と雇用条件、家族構成、家族(親・きょうだい)の勤務先、カナダを含む海外歴、話せる言語等等、「失礼だな」と思うほど事細かく個人情報を聞いてきたという。

 

「答えなきゃ良かったじゃん」って私は思ったけど、

夫曰く、彼らには大金持ち特有の雰囲気があり、

また、有無を言わさないような態度をされて、

言われるがまま、一問一答に答えることを繰り返していったそうな。

 

そして、最後にその人は言った。

 

「君、うちの(会社の)ために働かない?」

 

 

 

夫婦のうち、特に女性の方が話の窓口であるのか、熱心に仕事内容や労働条件等について話をしてきたという。

 

彼らの国は某アジアだった。

(住みやすい国ランキングによく載っている国)

 

カナダには出張で来ていた。この後、他都市へも仕事で行くとのことだった。

 

夫はいきなり見ず知らずの人に声をかけられたので、本気にはせず、その場では返事を濁して帰ってきたそうだけど、一応連絡先を交換してきていた。

 

ビリオネアだった

グーグル検索は暇な私の担当。

調べてみると、ビックリ。

 

なんと、世界的な経済誌フォーブスにも載っているビリオネアだった。

 

人違いじゃない?と思ったけど、「名前も写真も事業名等、本人と一致している」とたまげた様子の夫。

 

いやいや、私も驚いた。

 

 

人事担当者とメールでやりとり

数日後、某社人事部のお偉いさんから夫にメールが来た。

金持ちの気まぐれで話しかけてきただけだと思っていたので、意外だった。

 

代理人: 

雇用条件等の詳細について、スカイプで話し合いをしましょう。

尚、正式な書類契約は現地でとなります。

旅費等は全て負担するので、一度、現地を見に来て下さい。

他に、英語ができ且つ本人が望むのであれば、奥様にも仕事を紹介します。(ポジションを用意します)

 

とのことだった。わお。

以降、しばらく質問事項などについて、メールでのやりとりは続けられた。

 

 

私は行きたい!

私はその国に行きたかった。

カナダで今住んでいる土地は、冬は道端で野鳥が凍死しているような極寒地。また、強風による気圧の変化で、強い偏頭痛が定期的に起こる。こんな日常に疲れてきている。夏は短い。

また、外から来たアジア人がいつまで経ってもローカルと同じような条件では働けるはずもなく、色々と限界を感じていた。

よそ者である以上仕方のないことだけど、差別にもウンザリしていた。ローカルでなくても白人の友達や知り合いと歩いていれば、扱いが全く違うので、やはり差別の理由は「アジア人」であることが第一なのが明確だ。(ちなみに日本人だとわかると態度が激変することも多いがそれもどうかと・・)

 

なんだか、この土地で生きていくのは難しいんじゃないかって、絶望していた。

そんな折にこの話が舞い降りてきて、私にとっては藁にもすがる思いだった。

 

アジアで生活すれば、アジア人であることを理由に様々な可能性が減るってことも少ないんじゃないかなって。

 

それに、私、南国と湿気が大好きなマリンスポーツ派なんだ。

 

 

出された条件

ただ、雇用には条件があった。

アジア2カ国をまたいで生活することになることもあり、

ー (片方の国用に)ある程度現地の言葉を覚える必要がある

ー 雇用契約期間は最低3年間

というのが出された条件だった。

 

 

「どうしよう」と、夫。

行きたい気持ちはあるようだけど、業務内容が多少違ってくるため不安もあるらしい。また、知らない国のやり方についていけるだろうかというのも、不安要素であるようだ。

 

 

 

現地事情や評判を調べる

CAをしている知り合いがそのメイン国に住んでいることもあり、現地の情報を訪ねたところ、会社の規模は相当大きいけれど、少し評判がよろしくない企業だとのことだった。

 

他にも、調べると、うーーん・・と思うような評判の記事が幾つも見つかった。

これはちょっとヤバそうかも。

大企業であれば、そりゃあ嫉妬や反対勢力も生まれてくるだろうけど、それにしてもこの記事は如何にと首を傾げてしまうものもあった。

 

 

それでも行きたい

それでも私は行きたかった。

カナダでも大きな都市へ行けば、マルチ文化でマイノリティーにも住みやすいだろう。確かに西海岸は住みやすかった。でもだからと言って、すぐに西海岸や東海岸への転職が叶うわけではないし、何の保証もなしに、いきなりゼロから生活を始めるのには勇気がいる。

 

それと、あくまで私はおまけなので、大切なのは夫の意思だ。

 

 

気になることーカナダ永住権はどうなる?

その前に、気になることが1つあった。

カナダの市民権(国籍)持ちではないため、永住権のステータスをキープするのに必要最低限の居住年数というものがある。海外から国外申請でカナダ永住権の更新をすることは、現時点ではできないようだ。カナダに戻ってきてからの更新手続きとなるらしいけど、契約期間が途中の場合、カナダに更新手続きをしに戻ることに協力的でいてくれるのか確信が持てなかった。

 

夫の考え

夫は基本的にはアジア好きなので、渡航に興味はあるようだった。

だけど、悩んで悩んで悩み抜いた結果、ある日こう言った。

 

「生活を豊かにすることだけが幸せになることではない。

 カナダにいても、差別があっても、

 白人様の世界に黄猿二匹がお邪魔しているわけだし・・・

 って思ったらさ、今 まあまあ幸せだよね?」と夫。

 

確かに、私たちは長い間離れて暮らしてきた。

2人でのカナダ生活は、夫の永住権取得後にやっと始まったのだ。

それまでは、私が永住権を先に取得するまで別々に生活。

遠距離結婚生活は2年以上も続いた。

 

「それに、折角頑張って取った永住権が

    3年だとか数年経って失効してしまって、

 もしカナダに戻りたいって思った時に戻れなかったら、最悪のケースだよね。

 現地で働いてうまくいったと感じても、

 3年後の生活が保証されるわけではないし、見通しも立たない。

 それなら、カナダにいた方が大体の将来の予測はつくかな。」と、普段寡黙な夫が話を続ける。

 

年齢的なこともあり、もし数年後にカナダの永住権が剥奪されてしまったとしたら非常に厳しい。夫の国でも日本であっても、今から新しく生活をスタートし構築していくことはイバラの道を歩むことになるだろう。

 

 

結論

結局、長きに渡る話し合いと考慮を重ねた結果、夫は正式にオファーを断ることにした。

保守的な結論に達するだなんて、歳を重ねたものだ。 

 

「一度現地に見においで」と、ありがたいお誘いもしてくれていたが、訪問してしまった後では断りずらいだろうという話にもなった。(また、時期的に夫がすぐには有給を取れなかった)

 

他に、給与自体はかなり上がりそうだったけど、重きを置きたい保険や福利厚生等は現時点ではよくわからなかった。

 

それに、お金だけが全てではない。

 

 

そういったわけで、熟考の後、夫はオファーを断った。

最終的には、夫の判断に私も納得するに至った。

 

 

夫は、今までやり取りをしてくれていた代理人へは、感謝の言葉を述べるとともに、魅力的な話ではあるけれど、「永住権をキープしたいのでカナダに残りたい」という決断になりました。というような連絡をしたと言っていた。

 

先方の代理人は、夫の意思を理解・尊重し、受け入れてくれた。 

 

 

そして、この話はなくなった。

 

私たちは、カナダで生きていくことに決めた。

 

 

 

おまけ

ビリオネアから偶然に直接話をいただけるだなんて、なかなかあることじゃないと思う。

夫は少し品が良い雰囲気があるようで、身の丈に合わないような、上流階級の方々から好いてもらいやすいところは以前からある。しかし、それにしても今回の話は衝撃的だった。

 

だって、夫、そこまでカンファレンスでは活躍しなかったらしいよ。

 

 

ところで、彼は(日本ではないが)アジア圏のおばさまたちに少し人気があるようだ。

礼儀正しいからかな。

 

・・・!?

 

はて。

熱心に声掛けをしてくれたのは、女性の方だと言っていたような。

 

最終決断までに、実はやんわりと2度断ったのだが、その後も辛抱強くコンタクトを取り続けてきてくれたHRの人は、その女性のことが怖かった?

 

 

っということは、

 

もしかして、夫のことを個人的に気に入った?

 

金持ち独特の、欲しいものは何が何でも手に入れて、

自分の手元に置いておきたいってやつ?

 

何なら、カラダ目当て?

 

 

ひーーーー!

 

なーんて内心思ったことは、ここでブログにだけ吐露して終わりにしよう。

 

ほんの少しの間だけだったけど、夢見させてもらいましたな。