LIB - Life in Bloom

カナダと日本と韓国と、たまにオーストラリア。人生真っ盛りという意識で生活したい

ドラクエ11 冒険日記 ”人を恨んじゃいけないよ”(少しネタバレ)

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ドラクエ11日本発売から数日経って、ついに私の手元にもドラクエが届いた。

DHLからのトラッキングを何回も確認したけれど、どうもアメリカからは陸路でやってきたらしい。発売日には日本を飛び出し、アメリカを経由して数日、無事にカナダに届けてくれた。

配送屋のお兄ちゃんにあまりにも笑顔で対応してしまったらしく、お兄さんは非常にウケて、「一体何が届いたの?良かったね(*^^*)」と笑顔で言ってくれてた。

 

イエス!私の大冒険がまた始まるのだ。

 

胸に高まる高揚感の波が押し寄せてきた。嬉しさで血流が良くなっているのか、腕の奥で血がザブンと波打っているように感じる。鳥肌が立つ感覚とはまた違う。

鼻歌を歌いながら部屋の中をスキップして、袋を開けた。パッケージにキスをして、これは完全にキモいと思いながらも、にやけ顔が止まらない。

 

私、ドラクエが好き!

 

あの時と違うのは、夏休みなのにもかかわらず、外の蝉の音が聞こえないこと。攻略本が手元にないこと。そうだ、私はカナダにいたんだった。蝉の代わりにカササギが「カタカタカタカタ・・♪」と鳴いている。

 

だけど、すぐに違和感を感じたんだ。

 

何って、あの頃のようなトキメキがない。世界観に入っていけないのだ。

 

主人公が異性だということは仕方ない。

だけど、そういうことじゃないの。

 

ねぇ。

望んでもいないのに勇者に生まれて、

闇を打ち払うために戦えだなんて、

いきなり言われて受け入れられる?

 

私、受け入れられなかった。

 

「ウザいし。」

「職業選択一択とか、マジパワハラだし」

「むしろ、最低限の人権保証がなされてないし」

「青い目の主人公とか、金髪の仲間とか、白人崇拝し過ぎだし」

「はっ?なんでそんな都合よく、このタイミングでこれがでてくんの?」

 

とか、つまらないことばかりを考えてしまって、世界になかなか入り込めない。

 

おまけに、今家のことでやり取りしている、無礼儀な不動産屋(アフリカで育ったインド系カナダ人)の相変わらず横柄で好戦的な態度にうんざりしてしまって、ドラクエどころではないほどイラついていた。

 

歳を重ね、沢山の人生経験を得たことで、いつの間にか心が擦れてしまっているようだ。昔はすぐにゲームの世界に入り込んでいくことができたはずなのに、色んな思いが頭の中を駆け巡っていき、一向に集中ができない。

 

こんなに美しい世界がここにあるのに。

 

悲しいけれど、これがきっと大人になったということなのだろう。

 

ドラクエ開始から2時間50分。

そのうちの2時間30分ほどをイライラしながら過ごし、ゲームを放置して、私は怒っていた。

 

・・・

 

 

相変わらずイライラしていたけれど、いつまでも悪い気分のままでいたくなかったので、気分転換に飲み物を用意してから、また話を進めた。

 

イライライライラ・・・

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 

ストーリーの中で、

”人を恨んじゃいけないよ”という言葉をもらった。

 

踏んだり蹴ったり、泣きっ面に蜂、語彙力が足りないけれど、勇者に生まれてしまったと言うだけで散々な目に遭う主人公に、その人はそう語りかけるのだ。

 

普通だったら、人生を嘆いて、憂いて、どうでもよくなってしまったり、投げやりになってしまうんじゃなかろうか。

 

「もう知らんっ!」って。

 

それでも、頑張ろう。

それでも、前を向こう。

それでも、ポジティブに。

それでも、生きていこう。

 

こういった言葉や意識を簡単には受け入れる事ができないほど、大人になった私たちは疲れ切ってしまっている。閉塞感で、呼吸するのさえ億劫になることさえある。

 

だから、今の私のように、例えば海外に逃亡したまま行方をくらましてしまったり、というとちょっとアレだけど、新天地で新生活を始めたくなるような衝動に駆られる日も一度や二度ではなくなってくる。

 

人生をやり直そうと、職を変えたり、学校に入り直したり、引っ越してみたり、整形してみたり、他にも全く違う人として生活をスタートしようと考えたり、そういった人の気持ちが痛いほどわかる。

 

裏切られると感じるのは、相手に期待をするから

 

どこかでこの言葉を読んでからは、何も周りに期待しなくなり、心が随分と軽くなった。

 

色々あるけれど、それでもそれ(/その人)を

「許しましょう。」

 

と、カトリックベースのカナダで学んだ言葉を、なにかある度にネタみたいに言い聞かせてみたりもするけれど、言葉通りにはなかなかいかない・できないのが人間というもの。

 

汚い王国の仕打ちに、「それが人間だよ」と数分前につぶやいた。

 

なのに、この人はそれでも”人を恨んじゃいけないよ”と。

 

この言葉を読んで、ゾーンに入ったというか、とても不思議な感覚の中に入った。

 

書きながら、(馬鹿みたい!)って思ったりするけれど、それでもブログを書いてしまおうと思ったのは、この言葉がスッと心に入ってきたから。

 

見返しを求めてこない無償の愛を感じながら、その老人から発せられた言葉は、あまりにも暖かく、心に突き刺さる。

 

おじいちゃん、私が悪ぅございました。と、思わず呟きたくなった。

 

そして、私はこの言葉をキッカケに、アイツ(不動産屋)を許そうと思えた。

 

心のきれいなおじいちゃんが言うんだもん。

 

恨んじゃいけないよって。

 

アイツはきっと生理だったんだ。

彼は中年のおっさんだけど、そう思おう。

 

生理と聞くと、大抵のことは許せてしまう自分がいる。

 

恨みや復讐からは何も生まれない。

さっきまで、不動産屋をギャフンと言わせる言葉を考えながら、ゲームをしていたのに。

 

ふしぎ。

まるで、聖水でカラダが清められたかのように、

「わかった。おじいちゃんが言うから許す・・」と、珍しく素直に思える自分がいた。

 

 

 

 

 

ドラクエは変わっていなかった。

 

すっかり荒んで汚くなってしまったマインドをハックして、元通り昔のような童心に戻してくれた。

 

少なくともドラクエをしている時間は。

 

許そうと思えると、スッとその世界に入り込めるようになった。

 

すると間もなく、美しい冒険の世界が目の前に広がっていることに気づいた。

 

あの頃のワクワク感とともに。

 

 

無言でドラクエをひたすらすすめるというのには、一種の瞑想のような作用があるのかもしれない。自分との対話をし、心を無にでき、嫌なことを忘れられるからこそ、このおじいちゃんの言葉もスッと受け入れられたのかもしれない。

 

”人を恨んじゃいけないよ”

 

この言葉は、これからゲームの世界で、キーワードになっていくのかもしれない。

 

人を恨んじゃいけないよ

 

と、たまに念仏のように唱えながら、無心でドラクエをしようと思う。

 

瞑想も兼ねて。

 

 

 

やっぱり私は年を取った。

 

だけど、年齢によって楽しみ方が違うというのも、また、ドラクエの素晴らしさなのだろう。

 

さて、ドラクエしよっ。

 

 

まだやっていないドラクエファンはゼヒ。

 

私はPS4でやっています

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